11.心の病の診断結果について考えよう

精神科診断一致率

精神疾患診断の問題点と操作診断の必要性

ニューヨーク州立精神医学研究所 New York Sate Psychiatric Institute で作成された研究用診断基準 Research Diagnostic Criteria (RDC) (Spitzerら, 1978a) による症例要旨集を、その正答を見ないで 5 名の日本の精神科医が診断し、その最終合意診断を RDC 診断と比較したところ、米国に比べ、日本の精神分裂病は RDC の分裂感情病や一部の定型うつ病まで含むかなり広い病態を含むことが認められた (Kitamuraら, 1986)。
同じ国の中でも精神科医による診断は一致しないことが認められている。20 名の日本人精神科医に 29 例の症例要旨 case vignette を提示し、従来診断による診断を求めた
Kitamuraら (1989b) は、診断の一致率(intraclass correlation coefficient (ICC) で求めた)が全般的に低いことを報告している(表2)。ICC は 0.8 以上であればほぼ完璧といえ、0.6 ~ 0.8 なら十分であり、0.4~0.6では中程度であり、0.4を下れば問題がなしとは言えなくなる (Landisら,1977)。ICCが0というのは、診断する者同士の判断が同じであっても単なる偶然の一致であることを意味する。この調査で最も高い一致率を得られた病名は精神分裂病の0.75と強迫神経症の0.73であり、他の病名はすべて0.70を下回っていた。ことに境界例の0.12、躁病の0.22は実務上まったく使用に耐えないことを示していた。また、非疾患(正常)の判断も十分に一致しているのではなく,ICCがわずかに0.52であった。このことは、どこまでを精神疾患としどこからは正常とするかについても、日本の精神科医の判断に差異があることを意味している。つまり、ある個人は医師Aの診察では(なんらかの)精神疾患ありとされ、医師Bの診察では正常(精神疾患は存在しない)とされる可能性が低くないのである。
Kitamura ら (1989b) の研究に参加した精神科医は某大学医学部精神神経科の同窓生より無作為に選ばれているから、卒前卒後の教育バイアスも考慮しなければならない。しかし、この参加者の中には、日本の精神医学において指導的立場に立っている者も少なからず、含まれており、必ずしもこのことが日本全体の状況から大きく偏寄しているとは考えられない。
ICD-10 の草案の日本における実地試行において約 600 名の精神科医が参加した多施設共同研究 (Kitamura ら, 1994) において、ICD-10 診断に加えいわゆる従来診断を記載するよう求めた研究でも、同席面接法で非定型精神病、抑うつ神経症、器質性精神疾患で診断一致率(κで計算)が 0.7 を下回り、再試験法では、これに加えてうつ病、躁病、不安神経症、心気症のκが 0.7 に達しなかった。上記の Kitamura ら (1989b) は症例要旨を精神科医に読ませたものであり、直接の面接を行ったものではない。

★精神科医病名診断一致率

病名 診断一致率(ICC)
精神分裂病 0.75
非定型精神病 0.26
うつ病+抑うつ神経症 0.73
躁病 0.22
妄想状態 0.45
その他の精神病 0.06
神経症(非抑うつ性神経症 ) 0.66
人格障害 0.54
境界例 0.12
その他の疾患 0.19
非疾患(正常) 0.52

上記の表・説明から考えると不調をきたし精神科の診断はマチマチで正常・病気の判断も怪しい

脳の血流で心の病診断

グラフにみるように刺激が増えても、それに応じて血流量が増えないから刺激に適切に対応できない。
脳の血流量が少ない=酸素が不足している⇒補充法は呼吸(高濃度酸素含有血液を送る)